挨拶

プログラムコーディネーターより

平成23年12月7日
寶 馨(防災研究所・教授)

今年度から始められた新しい大学院改革プログラムである博士課程教育リーディングプログラム・複合型領域(安全安心)において、京都大学の9つの研究科(教育学、経済学、理学、医学、工学、農学、アジア・アフリカ地域研究、情報学、地球環境学)と3つの研究所(生存圏研究所、防災研究所、東南アジア研究所)が共同で提案していました「グローバル生存学大学院連携プログラム」が採択されました。

これは、社会の安全安心を脅かす様々な事象に対して、予め対策を講じるとともに、事象発生時には適時・的確に対処することのできる国際的なリーダーを5年一貫の大学院博士課程の教育プログラムによって育成しようとするものです。

12部局が共同で行う学位プログラムで、京都大学としても初めての広い範囲での学際的な取り組みですから、各研究科の教育制度、2各研究所の協力講座としての教育への関わり方など、従来の枠組みとの整合性をとりつつ、新しい教育システムを確立していく必要があります。
関係各位の御協力と御支援をお願い申し上げます。

目的

グローバル生存学とは

現代の地球社会は人間や社会の安全を脅かすいろいろな事象が発生しています。自然災害、人為災害や事故、大気や水域の汚濁、砂漠化などの環境劣化、感染症、干ばつや飢餓、食料やエネルギー資源の不足・枯渇。「グローバル生存学」は、こうした事象の発生原因を究明し、それら、あるいはそれらのリスクを防止・回避・軽減する、あるいは解決する方策を見いだすための「知」を結集し、体系付け、実際に行動を起こす学問分野です。

グローバル生存学大学院連携プログラム

本プログラムは平成23年度に文部科学省・日本学術振興会より公募された博士課程リーディングプログラム(いわゆるリーディング大学院)において、安全安心分野の新しい大学院教育システムとして採択されたものです。このプログラムは京都大学の9つの大学院研究科と3つの付設研究所が連携して、各大学院から選抜された優秀な学生を対象に実施されています。
このプログラムを通して京都大学は産業界、行政機関、国際機関、国内外の大学等と協力して、安全安心分野の先進的・学際的な大学院教育を展開し、グローバル社会のリーダーたるべき人材の育成を強力に推進していくことになります。学生には、持てる能力を鍛えつつ其れを伸ばして育ち、専門的実力、人間的魅力、社会的俯瞰力を備えた、世界の安全と安心に寄与する人材として、羽ばたいてくれることを期待しています。

global_survivability_area

図1 グローバル生存学の範囲